1909年創業の老舗が培った知と技
小牧蒸溜所の母体となる小牧醸造は、初代小牧伊勢吉が杜氏1名、蔵子3名を引き連れ、1909年焼酎づくりをはじめました。以来、鹿児島の豊かな自然が生むさつま芋と米、蔵のすぐ脇を流れる川内川の清らかな伏流水を原料に、伝統焼酎の「伊勢吉どん」や「小牧」のほか、甘くフローラルなテイストの「紅小牧」、すっきりとした柑橘系の香り漂う「一尚ブロンズ」などを手がけてきました。
細やかで丁寧なものづくりの態度。自然に畏敬と感謝の念を抱き、共生していく思想。身近なものと手を取り、ともに生きていく思いやりの姿勢。私たちは、決して大きいと言える酒蔵ではありませんが、小規模だからこそ大切に守り、培ってきた確かな技と知識。そして全員が一丸となって未来を切り拓くたくましい精神があります。
現在、小牧蒸溜所では、ウイスキーの開発とともに、各方面からの協力要請を受け、ほかの酒づくりの現場との連携や国外の技術開発支援も積極的に行っています。
Text: 猪飼尚司 / Photo: 白木世志一