世紀を超えて、生命を受け継ぐ。
木材は一般的に、ケヤキやブナといった広葉樹は硬く、複雑に変化ならがゆっくりと成長し、スギやヒノキなどの針葉樹は柔らかくまっすぐ、早く成長する印象がある。しかしながら、同じ針葉樹でも、標高500メートル以上、樹齢1000年を超える屋久杉は、そうした概念には当てはまらない別格の存在だ。 1550万年前に海中で固まったマグマが大きな花崗岩の塊となって隆起した屋久島の地形は、屹立とした山々に囲まれ非常に険しい。その山に向かって温かい黒潮が流れ込むため、島の上空には雨雲が発生しやすく、山間部では年間に7000〜10000mmもの雨が降る。こうした厳しい環境のなかでゆっくりと時間をかけて育った屋久杉の木目